100年ぶりの里帰り

  • 2018.09.17 Monday
  • 18:29

昨日、8名の作家さんの展覧会「春秋遊会 ”受け継ぐこと 伝えること・・・”」のうちの

走井茶会において「帰ってきた走井茶屋」というサブタイトルで

100数年ぶりに大津の本家の地で走井餅をお作りし、お客様にお召し上がりいただきました。

 

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走井の水が今もわき続ける、創業の地。

6代目が日本画家橋本関雪に売却してからは、離れた京都・八幡の地で、

血と技を受け継ぎ、商いを続けてきました。

この度、橋本関雪のご子孫の方や展覧会関係者の皆様のご厚意により、

また創業の地で、走井餅を作ること、そしてお客様に召し上がっていただくことができました。

皆様に心より深く感謝いたします。

 

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私が11代目としてお店を継ぐことになってからここを訪れた時、

いつか私もここで先祖がしていたように走井餅を作ってみたい、と

思いを強くしたのは10年ほど前のことです。

でもそれは叶わぬことだと、胸にしまっていました。

この地を離れてから100数年間、7代目以降がきっと夢見ていたことです。

 

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広大な走井の屋敷跡の中でも、今回実演をさせていただいたのは百歳堂という場所でした。

ここには、初代が関寺から手に入れた小野小町百歳像が祀ってあります。

先祖がこの小町像を深く信仰していたことは聞いたことがあります。

現に、7代目が大津から八幡へ持って帰ってきた屋号の看板や、

商品のレッテルにも百歳堂の文字があります。

この地での実演は、小町にも見守られている気がして、とても心強く思いました。

 

 

 

 

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経緯や由来をお話ししながら、お客様の目の前で走井餅をお作りし、その場でお召し上がりいただくと、

皆様がおいしい!と喜んでくださいました。

場所や先祖の思いも大事ですが、お客様においしいと言って喜んでいただくことが

まず第一に大切なことだなぁと改めて思いました。

もちろん、場所があったから、先祖がいたから、商売はしていたのですが、

それだけでは成り立ちません。

その時代時代に、おいしいと言って食べてくださるお客様がいたからこそ

走井餅は続いてきたのです。

 

私の作った走井餅を、お客様が喜んでくださる。

すべての原動力はやはりそこにある。

11代目として胸を張って、これからも毎日、走井餅を作り続けたいと思います。

 

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御縁をいただきました皆様、お越しいただきました皆様、応援してくださった皆様、

この度は誠にありがとうございました。

 

 

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お盆

  • 2018.08.15 Wednesday
  • 11:21

うちのお盆も例年通り。

13日におそうめんにてご先祖様をお迎えしました。

 

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14日はおはぎをお供えし、

 

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今日は白蒸しでお送りします。

 

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お寺さんも13日に2件、14日に1件がお参りに来てくださいました。

 

6代目から9代目が眠ったはるうちのお仏壇。

 

いろいろとご報告をして、11代目を応援してもらえるようにお願いしました。

 

お店の床の間も、お盆のしつらえに。

 

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誰もみな 心は父の形見なり はずかしめなよ おのがこころを
誰もみな 体は母の形見なり 傷をつけなよ おのが形に

古大津絵のうた

 

月心寺 村瀬明道尼筆

 

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おはぎは明日まで販売します。

 

おはぎ(こしあん・つぶあん) 各180円

 

 

白蒸しは本日中の販売です。

 

白蒸し 540円

 

希少な蓮の実を添えています。

おいしい白蒸しで、ご先祖様をお送りください。

 

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※お盆期間の営業のご案内

お盆も休まずに8/19まで毎日営業いたします。(8/20・21は休業)

営業時間 8時〜18時(喫茶ラストオーダー17:30)

お店のお庭

  • 2018.07.13 Friday
  • 14:51

猫の額と言ったら、猫にも失礼なぐらいなほどの、お店の小さなお庭の剪定が終わりました。

 

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愛着のあるこのお庭。

先祖代々、またそれより前の方の思いも込められたお庭です。

 

明治43年に7代目がここにやってくるまで、この地は千歳屋という旅籠でした。

 

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千歳屋の講札

 

当初は、旅籠の建物のまま、商売をしていました。

 


 

旅籠のお玄関からの母屋があり、離れがあり、その間に男山から流れ出る小川を取り込んだお庭がありました。

9代目が現在の建物に建て替える際に、石組やつつじなどを今の庭に移動させました。

 

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またモチノキは昔からある木で、八幡市の緑の保存樹に指定されています。

残念ながら、年々弱っており、少しでも元気でいてくれたらと願っています。

 

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お庭に出ている床几も千歳屋さんのもので、裏には屋号が書かれています。

 

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千歳屋さんは文化12年(1815年)の創業ですから、もし創業当時からのものなら200年、

そうでなくても走井餅屋になってからでも100年以上経過しているのですから、

どれだけたくさんの人のお尻の重みに耐えてきていることでしょう。

昔の職人仕事は丈夫とよく言われますがその通りですね。

 

お庭から石清水八幡宮の一の鳥居もスッキリ見えるように。

 

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明日からは三連休。

八幡は本日より15日まで太鼓祭りが開催され、迫力あるお神輿も出ます。

会場は当店のすぐ周辺。

お祭り見物の合間にでも、かき氷を食べに涼みに来てくださいね。

 

祇園祭

  • 2018.07.12 Thursday
  • 10:31

連日、太鼓祭りの記事を書いている通り、ここ八幡は石清水八幡宮のお膝元で

7月には地元のお祭りが最高潮に盛り上がるため、あまり祇園祭にはなじみがありません。

八幡市民の方は京都市内へ行くときに「京都へ出かける」というように、

自分たちも京都に入るのですが、京都市内は別の場所という微妙なニュアンスがあります。

そんな理由で、「祇園祭は街の人のお祭り、うちは太鼓祭りが忙しいさかい」てな感じがあり、

八幡の町にいると、太鼓祭りの提灯は目にしても、祇園祭のしつらえはほぼ目にしません。

 

店先には太鼓祭りの提灯を出している当店ですが、床の間に長刀鉾のミニチュアを飾っています。

 

 

長刀鉾は、祇園祭のなかでも一番の花形ですので、お祭りのことを全然知らない方でも

なんとなく聞いたこと、ニュースで見たことがあるかもしれません。

 

7月17日の山鉾巡行の先頭をゆく長刀鉾。

鉾先にはその名の由来、大長刀がついています。

 

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これは、平安時代の刀鍛冶、三条小鍛冶宗近が、娘の病気平癒を祈り八坂神社に奉納したのが

始まりと伝えられています。

 

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三条小鍛冶宗近は、大津走井の名水でも刀を鍛えており、その由来で走井餅は刀の形を表しております。

 


 

 

また八幡には三条小鍛冶相槌神社というお宮があり、それはここ八幡の水でも宗近が刀を鍛えたという

故事があることに由来しています。

 

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当店7代目が、大津からどこへ移転するか悩んでいた際、宗近に関係する八幡に決めたのも

納得します。

八幡にある三条小鍛冶相槌神社の鳥居には、7代目の名が刻まれています。

 

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宗近が繋ぐ、走井と八幡と祇園祭。

よそのお祭りと思いながらも、面白いものですね。

 

祇園祭(京都市)

宵山 7月14日から16日

山鉾巡行 17日

長刀鉾のある四条烏丸へは、

京阪電車で「八幡市」から「祇園四条」乗車時間約25分

下車後徒歩15分

月心寺開山忌法要

  • 2018.06.22 Friday
  • 14:30

今年も、大津大谷・月心寺の開山忌へ寄せていただきました。

 

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この地に湧く走井の水を使い餡餅を作り、それを走井餅という名で売り始めました。

1764年のことです。

 

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走井の湧水は、三条小鍛冶宗近が刀を鍛えたという故事が伝わっており、
それゆえ餅の形は刀の形を模しています。

 

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創業以来この地で150年商いをしていましたが、目の前の東海道が国道一号線となり、

牛車を引いていた生活から車へとかわるにつれて、京ー江戸間の最初の関所で(江戸からは最後の関所)あった

この地も、旅人が茶店で一服するというライフスタイルではなくなり、店を閉じることになりました。

 

店を閉じた6代目の四男である7代目が、現在の地である石清水八幡宮前へと移転させたのです。

 

大津の屋敷と庭園は、売りに出され、買い取ってくださったのが日本画家・橋本関雪でした。

本宅の白沙村荘は銀閣寺そばにありますが、別宅として使用されていたそうです。

 

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関雪没後は関雪の遺志により、天龍寺の村上獨譚によって月心寺という名で、関雪の菩提寺として開山されました。

関雪のお墓はここにあります。

 

月心寺といえば、村瀬明道という尼僧の精進料理のお寺として有名となりましたが、彼女はここの二代目住職でした。

庵主さんの豪快で優しいお人柄にファンも多く、また、NHK朝の連続ドラマ小説「ほんまもん」の

モデルにもなり、庵主さんのお役は野際陽子さんが演じられました。

 

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その庵主さんも数年前にお亡くなりになり、今は関雪のご子孫の橋本家の方々によって管理されています。

 

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100年前、この地を買ってくださったのが関雪さんで本当に良かった。

もしも心無い方の手に渡っていたら、すっかり取り壊され、ガレージやマンションになっていたことと思います。

そもそも敷地が広大な走井の本家は、切り売りされる予定で進んでいました。

関雪さんもそのうちの石造美術だけを買い取るつもりで、この地を訪れたそうです。

しかし、相阿弥作と伝わる石庭や運慶作と伝わる小野小町百歳像、
明治天皇が明治元年、初めて京都より東京へ行幸される際に
ご小休された「御駐在處」に心惹かれ、丸ごと買い取ることを決められたそうです。

 

また、100年もの間、その時その時のご住職に関雪の遺志が受け継がれ、

そして現在に至るまで大切に保存されている事に、感謝しかありません。

場所は違えど、そのまま走井餅を商いとしているわけですから、

発祥の地であり、先祖が暮らし商売をしていた場所、そして走井の水に今もなお触れることができるのは

この上もないありがたいことで、大切な事なのです。

 

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月心寺についてはこちら

橋本関雪についてはこちら

 

月心寺は、現在、日数限定で蕎麦処として公開されています。

スケジュールはこちら

 

 

おイトさんの御命日

  • 2018.05.18 Friday
  • 16:15

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本日は、当舗7代目井口イトの祥月命日法要を行いました。

明治9年生まれの彼女は、私の祖母の祖母です。

6代目の四男だった嘉四郎に嫁ぎ、大津にて走井餅の商売を手伝いました。

明治43年、34歳のころに、京都八幡へ移住し、走井餅屋を開店しました。

生駒、伏見稲荷など、いろいろな候補地の中、八幡を選んだのは、

創業の大津の地と同じ、清らかな水が湧いていたからだそうです。

石清水八幡宮のまんまえ、という素晴らしい立地を選んでくれて本当に良かった。

それから100年以上たった今、大津名物だった走井餅は、

石清水八幡宮の門前の名物として定着し、ご参拝に欠かせないお菓子として、

皆様に愛されています。

八幡は古い町。

開業当時は苦労したことでしょう。

代々のご先祖さんの苦労と努力によって、今、私も11代目として走井餅を作ることができています。

 

 

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大将さん

  • 2018.04.24 Tuesday
  • 12:07

お店に大将人形を飾っています。

全国的には五月人形というのでしょうか?

うちでは親しみを込めて大将さんと呼んでいます。

 

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おひな様とはうってかわって、やはり男の子の節供のお人形らしく、

迫力と風格があります。

 

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応神天皇

石清水八幡宮の御祭神です。

 

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神功皇后

応神天皇の母上で、石清水八幡宮の御祭神です。

 

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武内宿禰命

石清水八幡宮摂社で八幡の氏神様、高良神社の御祭神で、

石清水八幡宮田中宮司のご先祖です。

 

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旗持ち

菊の御紋の旗を掲げています。

 

 

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かしわ餅は、もちろん自家製のものをお供え。

 

 

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ゴールデンウィーク中は飾っていますので、是非この勇ましいお姿を

ご覧にお越しくださいませ。

 

天保12年

細工人 伊東久重

伊勢大神楽

  • 2018.03.17 Saturday
  • 13:07

今日は朝からお店に伊勢大神楽という獅子舞がやってきました。

 





これは、伊勢にお参りに行けない人々のため、
かわりに獅子舞の神楽と共にお札を届けて回るという
何百年も前からある民間信仰で、うちには安田市太夫というところが
年に二回、お彼岸時分に三重より来てくれはります。

 

「家内安全、御商売繁盛〜」と唱えながら、笛や太鼓、鈴の音色と共に
獅子が舞います。






笛、鈴、太鼓のにぎやかな音はなんともいえず、日本人の心をくすぐりますね。

町内を1軒1軒まわって、お願いする家だけ家の前で舞ってくれはるのですが、

最近はうちの周りは、うちだけのたった1軒になってしまいました。

 

こういった風習はやはり新しい家の人にはないからか、

うちの前を通りすがった人が、足を止めて観覧してらっしゃいました。


おひなさま

  • 2018.02.17 Saturday
  • 13:17

お店におひな様を飾りました。

 

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正面のおひな様は昭和7年生まれの私の祖母のものです。

 

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お餅は朝からつきたてのものを用意しました。

この大きさなら221円でお作りできますので、お入用の方はお気軽にお申し付けくださいませ。

 

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毎年お雛さんを同じように飾っているのではなく、その年その年で趣向を凝らしています。

 

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色紙は橋本関雪

 

今年はたくさんのちいさなお雛さんを飾ってみました。

ちいさなものって女心をくすぐられて、かわいいなあとつい眺めてしまいます。

 

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なかでも101歳の私の曾祖母が手作りした折り紙のおひなさんを、

今年はたくさん出しました。

 

これも

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この手前のものも

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こちらの手前のも

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これは蛤に細工

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これなんか圧巻

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三人官女と五人囃子までいます。

 

私のひいおばあちゃんの力作、是非見てくださいね。

 

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3月下旬まで飾っている予定です。

 

初午

  • 2018.02.07 Wednesday
  • 10:43

今日は初午。

お稲荷さんの祭日です。

京都には全国の稲荷神社の総本宮である伏見稲荷大社があり、

今日は初午大祭が行われ、たくさんの参拝客でにぎわいます。

 

 

 

お稲荷さんといえば、町内にお祀りしてあったり、会社の屋上にお祀りしてあったり、

お店屋さんの庭先にお祀りしてあったりと、結構身近な神さんではないでしょうか。

とくに商売をしている家には、商売繁盛の神様として、信仰が厚いのではないかと思います。

 

うちの家も昔から、お稲荷さんをお祀りしています。

昔は奥のお庭にお祀りしていたのですが、改装に伴い、

数年前よりお店のお庭に移動していただきました。

 

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移設の際は、石清水八幡宮の神職さんにお越しいただき、場所や方角を決めていただいて

神事を執り行いました。

お店の庭の入口すぐなのですが、石清水八幡宮の方向を向いているからいいのだとか。

 

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初午の今日は朝から、いつもより豪華なお供え物をしてお詣りしました。

紅白のお鏡餅に、野のもの、山のもの、海のもの、そして稲荷寿司。

 

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昔から見守ってくれたはるうちのお稲荷さんに、これからの商売繁盛とかわらぬ五穀豊穣をお祈りしました。

 

 

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