石清水祭各論4 「奉幣の儀」

  • 2017.09.08 Friday
  • 09:57

奉幣の儀 午前5時半ごろ ※一般見学不可 @山麓頓宮

 

山麓の頓宮で天皇陛下のおつかいである勅使参向のもと、
天皇陛下のお供え物が献れます。

 



しらじらと夜が明けだす早朝5時半。
お祭りはさらに静けさを増し、はりつめた空気に。
いよいよ天皇陛下からの御奉納品が御神前に奉献される最も重儀、
「奉幣の儀(ほうべいのぎ)」がはじまります。



石清水祭の主要舞台、山麓の頓宮殿。

 



頓宮の中には石清水八幡宮山上のご本殿から
三体の八幡大神様がうつられています。

御神前の御簾(みす)が神職さんの手により
巻きあげられ、御開扉となります。

 

そして神饌(しんせん)がお供えされます。

 


 

 


石清水祭の神饌は、古来より伝承されてきた特殊なもので、
御飯・焼鳥・兎餅などの火を通したものと、
鮭・ブドウ・なす等の火を通さないもの、
「供花」の三種類に大別されます。

それぞれ昔からの規則で切り方、盛り方も決められています。

お供え物の中には、とさかのり、三島のり、ワサビなど、
珍しいものもあります。

「供花」について少し詳しくご説明いたします。
供花とは、生の花のお供えではなく、
簡単にいえば和紙でできた造花です。
供花神饌(おはなしんせん、きょうかしんせん)とよばれ、
毎年新調されます。

 





八幡大神にご覧いただき、御心を御慰めするためにお供えされるもので
他の神社ではほとんど見ることのできない特殊神饌です。

 


12台の花や鳥で現した伝統工芸品である供花は、
古来は皇室からの特別なお供えでした。

現在は、三笠宮彬子女王殿下が製作に携わられています。


杜若・鴫2羽・河骨


紅葉・鹿2疋・小菊・桔梗


桜・蝶2疋・山吹

 

牡丹・蜻蛉2匹・石竹

 

橘・鷹1羽・薔薇

 

松・鳩二羽・巣籠りひな二羽・藤・つつじ

 

椿・せきれい2羽・根笹

 

水仙・きじ2羽・藪こうじ

 

南天・兎2疋・寒菊

 

梅・ウグイス2羽・福寿草

 

菊・鶴二羽・秋海棠

 

雪持竹・鳳凰1羽・山茶花

 

男山から採取した各樹種の枝や、化学染料を一切使用しない古代染めの技法で
染色した和紙を用いて調整されます。

こちらは奉幣の儀が終わり、頓宮内の立ち入り禁止がとけたあとに
どなたでもご覧いただけます。

 






そのあと宮司様による祝詞の奏上があり、いよいよ
上卿が舞台で見守る中、天皇陛下からの御弊物が御神前に奉献されます。
上卿が舞台に着座したのち、左手で裾をくる動作は、平安朝の殿上作法を伝えるもので
注目に値します。

国家の繁栄、国民の安泰、世界平和を願われる天皇陛下の
御祭文が上卿によって奏上されます。
この御祭文は、黄色の鳥子紙に書かれています。
黄色というのはとても珍しく、格の高いことをあらわしているそうです。

この際、上卿と宮司によって行われる返し祝詞は珍しい作法で、
二拍手の最初を宮司がうち、二拍目を上卿と宮司が重ねてうちます。
そして上卿がうちます。
拍手が計三回聞こえてきます。

上卿が行う所作も起拝という最も鄭重な拝礼だそうです。

貴重な時間ののちに、二頭の神馬が御神前を三周します。
これは、石清水神馬舎で飼われていた神馬ではなく、宮中の左右馬寮から
毎年各一頭ずつ奉納されたものの再現です。



霊元天皇が雅楽器を奉納された故事にちなみ、楽人によって4曲の勅楽が奉納されます。
ここでようやく息遣いまでもが聞こえそうなぐらいの静寂の時間が終わります。

 


 


そして、御簾は垂れられ、勅使様とともに行われる
特別な「奉幣の儀」が終了します。

そのあと、頓宮の横にある八幡の氏神様「高良神社」に
朝御饌(あさみけ)がお供えされます。


頓宮から出てこられる神職さんたち


すぐお隣の高良神社へ


お供えが終わって降りてこられました。







ようやく朝も8時。
参道に見物客が多くなってきました。
次は放生行事です。

注意・・・
今回ご紹介した「奉幣の儀」は一般見学はできません。
私達崇敬者や事前の申し込みの方のみ、頓宮内廻廊に参列席が設けられており
そちらに座って見学できますが、一般の方は赤門(頓宮南門)の手前から
ちらりと見える程度で、頓宮内に入ることはできません。
長時間の祭りのため、その場所で立ったままの見学はかなり厳しいかと思います。
もちろん、貴重なお祭りであるため知っていただきたいとは思うのですが、
私個人的にはこのあと朝8時から始まる放生行事からの参列をお勧めします。

事前申し込みの際の玉串料は5000円です。

詳しくは石清水八幡宮社務所(075-981-3001)までお問い合わせください。

 

 

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