石清水祭各論 1 神幸の儀

  • 2018.09.07 Friday
  • 18:00

石清水祭の各論と題して、神事一つずつを詳しくご紹介したいと思います。

 

まず、はじまりは9月15日の午前2時/盛の儀
御鳳輦発御(ごほうれんはつぎょ)です。

簡単に言うと、八幡大神様の出発です。

男山山上の御本殿から、ご鳳輦に乗り換えられ、神人(じにん)と言われる

お供を400名従えて、表参道の階段を下りてこられます。

 

この神幸行列は、山上の社務所前参道で見ることができます。
松明や提灯の明かりだけを頼りに、静かに始まります。

お供は神職のほか神人、楽人など、その名は役割によって細かく分かれており、
王朝時代の衣装もそれぞれ異なります。

真榊神人、神宝御剣神人、揚提灯神人、御鉾神人など
持っているものを表した名前が多いようです。
神人を少しご紹介します。


御前神人(みさきじにん)
貞観元年(859)、宇佐宮より男山に移られた折、先陣を勤めてこの地に到り、
以来神領内に住んで代々の子孫が行列の先頭を奉仕したと伝えられている。
侍烏帽子、裃姿の二名が錫杖を鳴らしつつ進行する。



火長陣衆(かちょうじんしゅう)
宇佐より道筋の案内役をしたという縁故より、石清水放生会開始以来の
神役と伝えられる。
赤い高張提灯を持つ。

 

 





御前拂神人(みさきばらいじにん)
行列の警護役で浄衣姿に弓張提灯を持つ。


火燈人衆(かとうじんしゅう)

宇佐宮よりお供した人々の神役といわれ、前陣の灯明として高張提灯を持つ



「御弓神人(おゆみじにん)」
錦袋に納めた御弓を持つ神人。
三座のご神霊にちなんで、「一の御弓」「二の御弓」「三の御弓」がある。







御幡神人(みはたじにん)
御幡の箱を持ち、お供が榊の小枝を持って近侍する。



「童子・童女」
6名の男児・10名の女児が世話方に伴われてお供します。
普段ならオネムの時間なのに、がんばってます!



「御神宝神人(ごしんぽうじにん)」
錦袋に包まれた大小の御神宝箱を持っています。





「御唐櫃神人(おんからひつじにん)」
三座の御神霊の御装束(御冠や御服など)を納めた
「一の御唐櫃」「二の御唐櫃」」三の御唐櫃」を持つ。


御弊神人(ごへいじにん)
五色の大御弊を持つ。


神幸御弊神人(じんこうごへいじにん)
三座の御神霊にちなんで、一つに束ねられた白弊を持つ。



金銀御弊神人(きんぎんごへいじにん)
直垂姿の6名が、金弊3串、銀弊3串を持つ。


「御獅子神人(おししじにん)」
行列の先払いとして御神霊を守護する神役。



「八流旗神人(はちりゅうきじにん)」
紅白各4流の大幡を持っています。
「八幡」の語源とも言われています。


真榊神人(まさかきじにん)
5色絹をつけた一対の大榊を持つ。



楽人(がくにん)

無位官ではあるが五位相当の緋の衣冠を着用し、神幸から還幸にいたるまで
すべての奏楽を勤めます。
雅楽の音色が静まり返った真夜中の男山に木魂します。







神宝楽器唐櫃神人(しんぽうがっきからひつじにん)
霊元天皇御奉納の雅楽器を納めた唐櫃を持つ。

このほかにもたくさんのお供が
おごそかで幻想的な雰囲気の中、目の前を過ぎていきます。
まるで動く古典。
まさに平安絵巻から飛び出してきたかのような、神幸行列が続きます。

そして、いよいよ八幡大神様をのせた御鳳輦へと続きます。

御鳳輦(ごほうれん)とは、ご神霊の乗り物を指し、
おみこしの原型といわれています。

石清水八幡宮の御祭神は応神天皇、神功皇后、ひめ大神の三神であるので、
御鳳輦も3座あります。



手前の黄色の衣の神人は、「御綱引神人(みつなひきじにん)」。
各御鳳輦の前後に結び付けられた朱綱で、
参道の昇降を佐けます。

紅い衣の神人は「駕與丁神人(かよちょうじにん)」
天皇行幸列の行粧に準じ、鳥兜(とりかぶと)・りょうとう・わら靴姿を
しています。

鳥兜の色は三座の御鳳輦に仕える神人によって異なります。






 

御鳳輦をかつぐのは16名と決まっています。

お神輿の原型と言いましたが、例えば7月に行われる高良社祭太鼓祭りの時のように

威勢の良い掛け声とともに揺らしながら担ぐのではなく、

無言で厳かに重々しく担ぎます。

 

神様が前をお通りになるとき、参列者は低頭し手を合わせます。

ゆっくりとした歩みで、行列はご本殿より三の鳥居をくぐり、
表参道を下りていきます。

この間、参列者は近道である裏参道よりいそいで駆け下り、
先回りして山麓で到着を待ち構えます。

山麓の二の鳥居の前にお祭りのときだけ臨時に建てられる絹屋殿(きぬやでん)
へ到着すると、「絹屋殿著御の儀」が行われます。

「絹屋殿著御の儀」については次回へつづく…




今回御紹介した「神幸の儀」は、男山山上の社務所前参道より
どなたでもご覧いただけます。

※1時間以上の立ち見です。椅子席はありません。

午前2時までに山上へお越しください。

 

参列のポイントは10時ごろに、京阪電車と男山ケーブルで男山山上にあがり、

神事が始まるまで待機していることです。

車は付近の駐車場も少なく、石清水祭ではあまりお勧めしていません。



真夜中のこの時間、なかなか一般の方は御参列を躊躇されるかと思います。
しかし、神様が動くのは夜が静まって、
人目に触れない時間が望ましく、また「丑三つ時」という時間帯は、
霊のあるものの力が一番発揮される時間だそうです。

ぜひ、日本三大勅祭の石清水祭をご体感ください。

ただし、神様がお近くをお通りになる格式のあるお祭りです。
参列の際は、私語を慎み、礼儀を失わない程度の服装を
心がけください。

 

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