石清水祭各論2 絹屋殿著御の儀

  • 2018.09.08 Saturday
  • 17:50

絹屋殿著御の儀(きぬやでんちゃくぎょのぎ)

午前3時すぎ @山麓二の鳥居前

 

山上を出発した神幸行列が山麓の絹屋殿に到着し、御神霊に里神楽奉奏・神職拝礼・太平楽奉奏が行われます。
御勅使様が御神霊をお迎えに来られます。

絹屋殿とは、山麓の二の鳥居の前に、お祭りのときにだけ臨時で
建てられる建物です。


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四本の掘立柱に支えられ、四方に白絹を張りめぐらしているので、
こう呼ばれています。
普段はこの建物も盛砂もありません。
お祭りのためだけに作られたものです。

午前3時すぎ、神幸行列が山上より、徐々に到着しだします。

 

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ちなみにこのころ、勅使は参議以下の供奉員を率いて、頓宮斎館を出発、

一の鳥居を経て祓あくに入り、特別な祝詞を奉読して行う厳重な修祓を

うけたのち、礼堂に入ります。

 

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礼堂に入られたのちは、

御鳳輦の到着を待つ間、式といわれる祭典の内容を記した巻物を読んで

式次第を確認します。

 

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絹屋殿の行列の説明に戻りましょう。

あかりは松明と提灯の明かりのみ。
街灯、懐中電灯など、電気類はすべて電源オフされるので
真っ暗です。
松明のパチパチという音以外は
しーんと張りつめた空気です。


御鉾神人(みほこじにん)
5mもある「大御鉾」2棹、「中御鉾」3棹、「小御鉾」4棹を持つ神人。

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かわいらしいお供たち、暗闇の階段をよく歩いてこられました。




 

 

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こちらは男児

駒形神人といって、体の前後に白馬の模型を結びつけています。

天冠には日象と月象が飾られています。

 

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3時40分ごろ。
すべての行列が到着しました。
絹屋殿に三座の御鳳輦が入られました。

 

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里神楽の奉奏が始まります。

巫女による神楽は、八幡神三座それぞれの前で、三度行われます。

 

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里神楽を奉奏しているのは「神楽座」で、緋色の衣冠をつけた楽人とは異なり、
宇佐宮からお供してきた「八幡大前の楽人」と呼ばれる古い神人です。
行列の最後尾を承る。

 

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石清水八幡宮田中宮司による拝礼。

 

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続いて神職の拝礼

 

 

それが終わると、勅使を礼堂に迎えに行き、いよいよここからが

公の祭儀としてみなされる官祭です。

勅使様が御神霊をお迎えにこられました。



勅使、上郷(しょうけい)
祭典奉仕者の最高位で、古来は大納言か権大納言級の高級文官が差し遣わされていた。
現在は宮中の祭儀を司る掌典職より遣わされている。
装束は平安期の男子正装である束帯で、据(きょ)という4.6mもの長い絹をひいている。
勅使がこれほど長い裾をつけるのは、式年遷宮の時の伊勢神宮と、上下賀茂社、
春日大社のみだそうです。




官祭列にも、参議、左右次将、外記(げき)など様々な役職があり、
位、衣装はそれぞれで異なります。

祭はこれ以後を「官祭」と称して夕刻の奉送まで、
公の祭儀とみなされます。

勅使様によって奉迎された御神霊は、官祭列の先導の元、頓宮へと向かっていかれます。

 

御鳳輦が動きます。

 

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菊紋の赤丸提灯は、三基の各御鳳輦前の灯明として、各四棹あります。

三基の御鳳輦にそれぞれ「一の揚提灯」「二の揚提灯」「三の揚提灯」

持つ神人は揚提灯神人と呼ばれます。

 

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御鳳輦に絹屋殿の白絹がかからないように、紫紗のはったさしはで

助けます。

御さしは神人

 

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一座ずつ慎重に、動かされ、頓宮へ向かっていかれます。

 

 

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そして「頓宮神幸の儀」につづきます…
 

 

 

今回ご紹介しました「絹屋殿著御の儀」につきましては、
どなたでも見学することができます。
行列が到着しだす、午前3時半ごろまでに
山麓の駐車場付近へお越しください。
ただし約1時間の立ち見です。椅子席はありません。

事前に申し込みをしておくと、観覧席に入ることができます。

(初穂料5000円)

このあとの神事も申し込みがなければ参列できないものが多くあるので、

しっかりと参列したい方は、事前申し込みがオススメです。

詳細は石清水八幡宮へお問い合わせください。

ちなみにまだ京阪電車の始発は動いていませんが、
この日、石清水八幡宮の駐車場は使用できません。
お車でお越しの場合は、お近くの駐車場に泊めてから
歩いて会場へとお越しいただくことになります。
深夜ですのでお気をつけてお越しください。

神様がお近くにお通りになられるうえ、
勅使様が参向される格式あるお祭りです。
私語は慎み、礼儀を失わない程度の服装での
参列を御心がけください。

 

咳払いすると響き渡るようなたいへん静かなお祭りです。

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