石清水祭シリース4、奉幣の儀

  • 2019.09.08 Sunday
  • 18:06

石清水祭シリーズ1、神幸行列はコチラ

石清水祭シリーズ2、絹屋殿著御の儀はコチラ

石清水祭シリーズ3、頓宮神幸の儀はコチラ

 

 

4、奉幣の儀 午前5時半ごろ ※一般見学不可 @山麓頓宮

 

山麓の頓宮で天皇陛下のおつかいである勅使参向のもと、
天皇陛下のお供え物が献れます。

 



しらじらと夜が明けだす早朝5時半。
お祭りはさらに静けさを増し、はりつめた空気に。
いよいよ天皇陛下からの御奉納品が御神前に奉献される最も重儀、
「奉幣の儀(ほうべいのぎ)」がはじまります。



石清水祭の主要舞台、山麓の頓宮殿。

頓宮の前には、祭のためだけに建てられた舞台。

 

 

頓宮南門前に2名対侍して警護するのは、官祭列(上卿側)のうちの左右衛門府(五位)で、

緋の武官束帯姿をしています。

舞台の南にもおなじ装束の左右兵衛府が2名対侍して、警護しています。

 

 

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斎館の前は、これも祭のためだけに建てられた、上卿(勅使)以下参議(四位)や左右次将(四位)が

入られる礼堂という建物です。

 

修祓につづいて上卿以下が著座されました。

 

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上郷(しょうけい)
祭典奉仕者の最高位で、古来は大納言か権大納言級の高級文官が差し遣わされていました。
現在は宮中の祭儀を司る掌典職より遣わされています。
装束は平安期の男子正装である束帯で、据(きょ)という4.6mもの長い絹をひいています。

据は、夏の装いで、身分や祭典により長さの規定があり、
勅使がこれほど長い裾をつけるのは、式年遷宮の時の伊勢神宮と、上下賀茂社、
春日大社のみだそうです。

なお、石帯(腰帯)の飾り石は、有紋玉巡方という繊細な透かし彫りがされた文化財級の芸術品。

蒔絵螺鈿の細太刀や紺だんの平緒なども古式通りの格式を伝えており、皇室の御尊崇のほどが

拝されます。



頓宮の中には三体の八幡大神様がうつられています。

 

写真の奥の方に、二名の白丁に奉舁された菊の御紋のついた唐櫃が見えますでしょうか。

 

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ここに、天皇陛下の御奉納品である御幣物が納めてあります。

 

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御幣物のうしろには、官祭列より内蔵寮史生(くらりょうのししょう)が続いています。

内蔵寮史生は、六位と下位ですが、御幣物を司るので、縹の束帯に長い裾をつけています。

御幣物はのちほど奉献されますが、いったん斎庭に進められ、

御幣物が前を通る時、参列者は起立し低頭しています。


つづいて、御神前の御簾(みす)が2名の神職によって巻きあげられ、御開扉となります。

 

 

 

そして神饌(しんせん)がお供えされます。

 

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石清水祭の神饌は、古来より伝承されてきた特殊なもので、
御飯・焼鳥・兎餅などの火を通したもの(熟饌)と、
鮭・ブドウ・なす等の火を通さないもの(生饌)、
「供花」の三種類に大別されます。

それぞれ昔からの規則で切り方、盛り方も決められています。
お供え物の中には、とさかのり、三島のり、ミル、ワサビ、河骨、榧実、金海鼠など
珍しいものもあります。

 

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「供花」について少し詳しくご説明いたします。
供花とは、生の花のお供えではなく、
簡単にいえば和紙でできた造花です。
供花神饌(おはなしんせん、きょうかしんせん)とよばれ、
毎年新調されます。

 

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八幡大神にご覧いただき、御心を御慰めするためにお供えされるもので
他の神社ではほとんど見ることのできない特殊神饌です。

ご神饌とともに頓宮の御神前にお供えされます。

 


12台の花や鳥で現した伝統工芸品である供花は、
古来は宮中からの特別なお供えでした。

現在は、三笠宮彬子女王殿下が製作に携わられています。

 

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12台の数は、四季×三座で春夏秋冬の花を八幡大神三座それぞれに配した物だそうです。

また、台はかつては蓮の台でしたが、明治初年の神仏分離以降は椿の台に代えられました。


杜若・鴫2羽・河骨


紅葉・鹿2疋・小菊・桔梗


桜・蝶2疋・山吹

 

牡丹・蜻蛉2匹・石竹

 

橘・鷹1羽・薔薇

 

松・鳩二羽・巣籠りひな二羽・藤・つつじ

 

椿・せきれい2羽・根笹

 

水仙・きじ2羽・藪こうじ

 

南天・兎2疋・寒菊

 

梅・ウグイス2羽・福寿草

 

菊・鶴二羽・秋海棠

 

雪持竹・鳳凰1羽・山茶花

 

染司よしおかの吉岡幸雄氏が

男山から採取した各樹種の枝や、化学染料を一切使用しない古代染めの技法で
染色した和紙を用いて調整されてます。

こちらは奉幣の儀が終わり、頓宮内の立ち入り禁止がとけたあとに
どなたでもご覧いただけます。

とってもかわいいので、是非近くでご覧になってみてください。






そのあと宮司による祝詞の奏上があり、いよいよ
上卿が舞台で見守る中、天皇陛下からの御弊物が御神前に奉献されます。

内蔵寮史生より宮司に三座分の御弊物手渡されます。

上卿が舞台に着座したのち、左手で裾をくる動作は、平安朝の殿上作法を伝えるもので
注目に値します。

 

 

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国家の繁栄、国民の安泰、世界平和を願われる天皇陛下の
御祭文が上卿によって微音にて奏上されます。
この御祭文は、黄色の鳥子紙に書かれています。
黄色というのはとても珍しく、格の高いことをあらわしているそうです。

この際、上卿と宮司によって行われる返し祝詞は極めて珍しい作法で、
二拍手の最初を宮司がうち、二拍目を上卿と宮司が重ねてうちます。
そして上卿がうちます。
拍手が計三回聞こえてきます。

上卿が行う所作も起拝という最も鄭重な拝礼だそうです。

息が詰まりそうなほどの貴重な時間ののちに、二頭の神馬が御神前を三周します。
これは、石清水神馬舎で飼われていた神馬ではなく、宮中の左右馬寮から
毎年各一頭ずつ奉納されたものの再現です。

 

縹の武官束帯姿の左右馬寮(六位)が祭典中は南門外の御馬舎前に二名対侍し、

「御馬牽徊の儀」では、神馬に先行して、舞台を三周します。

 

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続いて勅楽奉奏。
霊元天皇が雅楽器を奉納された故事にちなみ、そのうちの三管を楽人に授け、4曲の勅楽が奉納されます。

 


そして、撤饌、御簾は垂れられ、勅使様とともに行われる
特別な「奉幣の儀」が終了します。

 



そのあと、頓宮の横にある八幡の氏神様「高良神社」に
朝御饌(あさみけ)がお供えされます。


頓宮から出てこられる神職さんたち


すぐお隣の高良神社へ


お供えが終わって降りてこられました。







ようやく朝も8時。

奉幣の儀は朝5時半から8時までのノンストップです。

その前の頓宮神幸の儀からもノンストップなので、

夜中〜早朝ずっと神事が続いています。
 

そしてそのまま次は場所を放生川へうつし、放生行事です。

注意・・・
今回ご紹介した「奉幣の儀」は一般見学はできません。
関係者のみ、頓宮内廻廊に参列席が設けられており
そちらに座って見学できますが、一般の方は赤門(頓宮南門)の手前から
ちらりと見える程度で、頓宮内に入ることはできません。
長時間の祭りのため、その場所で立ったままの見学はかなり厳しいかと思います。

もしご覧になるなら、奉幣の儀の初めからではなく、後半からお越しになって、

そのまま放生行事をご覧になるのが、よいコースかと思います。

 

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